ベストセラーとなった見延典子の小説(早大文學部文蕓科の卒業小説)『もう頬づえはつかない』を、ATGが東陽一監督で映畫化した作品。早大文學部に通うまり子は、同じく早大生の橋本と同棲している。それもごく軽い気持ちで……。これにまり子のかつての同棲相手である売れないルポライターや畫家くずれの大家らも登場して、物語は大きな起伏もなく淡々と進んでいく。ポスト學園紛爭の“シラケ世代“や“フィーリング世代“の感覚をそのまま映畫化したかのような作品。古い形の“戀愛“とはかなり遠いところで男たちの間をフラフラ漂っている女子大生を演じた桃井かおりが光る。